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3.子犬ペットショップ先進国事情
感染症の危険を回避でき、大切な「社会化期」を考慮した販売方法が理想だと言うことをお分かりいただけたと思います。欧米先進国では生後60日以降(生後8週齢)の販売が当たり前の傾向にありますが、なぜ我国ではなかなか進まないのでしょうか? 欧米先進国の現状と日本のペットを取り巻く環境の違いを知って賢い消費者になってください。


■子犬を陳列販売しないイギリスのペットショップ

欧米先進国は、日本よりペットに対する愛護の法律がとても厳しく、繁殖者、販売者はもちろん、飼養者(飼い主)にも多くの責任や義務を定めています。特にイギリスでは、法律に定められていないにもかかわらず、
子犬を店頭陳列販売することを、ペットショップ自らが自粛しています。購入希望のお客さまは、子犬が生まれる前から予約をして出産を待ちます。ペットショップはお客さまの予約を受けて、初めてブリーダーに交配を依頼します。ブリーダーは計画的に繁殖ができますから、無理な繁殖を犬に強いる必要がありません。つまりお客さまは、子犬を見て選んでいるのではなく、良質な子犬を提供してくれるペットショップを選んでいるのです。またアメリカでは州ごとに法規制が決められているようですが、ほとんどの州で、生後9週未満の子犬を展示、販売することを禁止しています。やはり、子犬の感染症や社会化期を考慮された販売方法がないます。

【参考】
 海外ペットショップ紀行:犬猫生体は展示しない(ペット経営2005.4月号より)


■日本のペットを取り巻く現状
日本ではこのような欧米各国のような販売方法が進まないのでしょうか。その一つは、ブリーダーの所有する「土地の広さ」の違いが起因しています。狭い日本ですから、ブリ−ディングを職業としている場合は次から次へと出産が続きます。それらを別々に管理しないとなりませんから、当然繁殖スペースも広く持っていなければなりません。このスペースが確保されていれば可能なはずですが、繁殖犬の頭数が多い割にスペースが十分でない場合は、トコロテン方式で販売しなければならなくなります。

また、「早期引き渡しの危険」でも申し上げましたが、一般の方が思い浮かべる最もかわいい子犬のイメージが生後45日前後の姿と言われています。その時にできるだけ高い価格で売りたいと言う販売店の気持ちも理解できます。特に大型犬はあっという間に大きくなりますからね。自分だけが、生後2ヶ月齢経過後でないと販売しないとしたら競争の原理から、なかなか買っていただけない難しさが残ります。これを打ち破るには消費者のご理解と法規制で足並みを揃えるしか手がないように思っています。


■日本における「強化された法規制」のまだまだ不備な点

平成18年6月に施行された、改正動物愛護法は「強化された法規制」と言うものの、まだまだ不備な点を感じています。例えば、「販売店は2日間以上にわたって、外見上判別できる健康状態を目視で確認する」とありますが、一方でストレスを与えないことを謳っています。通販の場合は、一旦引き取りその後にお客様にお届けするとしたら、環境変化が2回発生することになり、子犬にとって大変なストレスになります。健康状態をチェックすることが目的なら、獣医師の健康診断書の添付を必須にするなどの措置を優先すべきでしょう。また、親犬、兄弟犬と過ごす社会化期を「適切な期間」と謳い、特定しないのもおかしなことです。

今回の法改正で評価する点としては、繁殖業者に対しての、具体的な強化策です。例えば、「母体に過度な負担を与えないよう、繁殖回数を適切にする」や「計画繁殖を行うようにする」などです。イギリスのように具体的な数値で示していない点が今一歩ですが、大きな進歩と感じています。さらに、繁殖者の「違反が確認された場合は取引を行わないこと」と謳われており、一段と優良ブリーダーの選別が必須となって参りました。これも当然の流れであり、不良ブリーダーを締め出すには大歓迎ですね。


***** 動物愛護法の基本原則 ******
犬猫に限らずすべてのペットは生きものです。以下に動物愛護法の「基本原則」と「動物の飼い主等の責任」を掲載しておきます。この基本原則の上に、さまざまな法規制が強化されて来ました。

【基本原則】
すべての人が「動物は命あるもの」 であることを認識し、みだりに動物を虐待することのないようにするのみでなく、人間と動物が共に生きていける社会を目指し、動物の習性をよく知ったうえで適正に取り扱う。

【動物の飼い主等の責任】
動物の飼い主等は、動物の健康と安全を確保するように努め、動物が人の生命等に害を加えたり、迷惑を及ぼすことのないように努めなければなりません。また、動物による感染症について正しい知識を持つとともに、動物が自分の所有であることを明らかにするための措置を講ずるよう努めなければなりません。さらに、繁殖を希望しない犬または猫の飼い主は、不妊あるいは去勢手術等繁殖制限の措置を行うように努めなければなりません。

以上をご覧になってどう思われますか?
サラサラ動愛法にケチを付ける気持ちはありませんが、

動物は「命あるもの」と規定しているからには、なぜ命を落としているのかに対して言及し、その点から飼い主側と販売業者の双方に対してもっと強い姿勢があっても良いのでないかと考えます。原点は「命あるもの」がなぜ短命であったり、捨てられたりしているのか、 つまり流通面にもメスを入れていかなければ欧米並みにならないはずです。
 
4.子犬購入時のトラブル事例
 
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